今日、久々にWindows機を触った。僕が大好きな『Hearts of Iron 3』は、WindowsとMac OS Xにのみ対応していて、しかも僕が持っているMacbook Proは例のGPU問題で目下故障中なのだ。もうMBPにはopenSuSEをインストールしてあってSteamは使えない。だからゲームで遊ぶにはWindows機を使うしかないのだ。
やや古いWindows機だから、いまどきのデザインではない。ちょっとした単行本みたいな厚さで、辞書のように重い。打鍵性を犠牲にしてデザインを優先したアイソレーションキーボードではなく、健気なメンブレン式キーボードが採用されている。メカニカルキーボードのような頑強さは無いものの、すくなくともあの象徴的で不愉快なアイソレーションキーボードよりは大分ましだと感じる。古風という点では、搭載のWindows Vistaも派手な機能を厳しく制限しているからUIフォントのアンチエイリアスは効かない。Webサイトを閲覧しても、最近は見なくなって久しいギザギザMSゴシックがお目にかかる。手持ちのopenSuSEですらフォントにアンチエイリアス処理をかけるこのご時勢では、慣れるまでに少し時間がかかるほどの懐かしい代物だ。
だがこのビットマップフォント、意外と良い物なのではないかと思うようになった。どこか懐かしい気もするのだが、実際に使う分には何も困らないし、文字はしっかりして見やすい。確かにアンチエイリアス処理されたフォントはUIをリッチにしてくれるし、西欧系文字のレンダリングは美麗だ。アンチエイリアス処理したフォントを使うのが時代の趨勢であることは、最近のOSが標準でどのようにレンダリングするかを見ればわかることだ。
しかし、日本語フォントはアンチエイリアスに向いていない。少なくとも、現行の96ppi程度の解像度では漢字のディテールがぼやけてしまって読むに堪えないレンダリングになる。Retinaや高精細ディスプレイを使っていないのであれば、かえってアンチエイリアスを使わないジャギーな日本語フォントの方が見やすい。最近のOSは何でもアンチエイリアス処理するようだが、フツーのディスプレイを使う限りは日本語のアンチエイリアスは切るべきと思う。ただし、高精細ディスプレイを使うのならアンチエイリアスはぜひ使うべきだ。そのようなディスプレイでは、アンチエイリアスを掛けても漢字のディテールを損なわないし、問題なく視認性が高まるからだ。
早く高精細ディスプレイが廉価に普及し、PC画面の日本語を読みやすくしてほしい。電子書籍の普及を妨げているのは、案外こういった部分なのかもしれない。その日が来るまでは、当分ギザギザフォントと付き合っていくつもりだ。(もしかして、自分のディスプレイがポンコツなだけなのか?)