Lambdaカクテル

京都在住Webエンジニアの日記です

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文字読んでない

そういえばインターネットやるようになってから全然文字を読まなくなったな。文字なんて頼まなくても勝手にたくさん流れてくるし、いちいち考えていない。

ぼおっと本棚の前で本を眺めつつ、ピントがうまく本の表面に一致しないことに気づいた自分は、ハッとしてびっくりした。文字を読んでいない。 文字というのは活字を読まなくなったという意味ではなく、文字通りに文字そのものという意味。文字を風景として見てるだけなのだ。 文章に没入できるということが実はスキルであり、それができなくなりつつあることに気付いてぞっとした。

コンピュータやウェブに慣れていない人間は、何かメッセージが表示されたり、画面に何かが表示されると、Yahooのトップページでもなんでもまず左上から全部読もうとするのだ。たぶんそっちの方が正しい人間の反応で、我々のようにパターンのように反応的にインターフェースを操る人類の方が、特異な適応のしかたをしているとも言える。自分は全部読もうとする人を見ると急かしたくなってしまう。だが異常なのは我々の方だと思う。

自分は本を読んでいた時代と比べて、文字情報に対する認知の仕方が根本的に変化したのだ。文字から情報を読み取り、想像力を巡らせるという行為から進化して(退化かもしれない)、必要な情報をザッピングするようにつまみ食いして勝手に意味を推測している。つまり「読んで」はいないのだ。じゃぶじゃぶ流れてくるツイートの断片や話題のページについたコメントをいちいち読んではキリがない。だから自動的に文章を画像認識するようにラベル付けして認識しているような、そんな感じ。言い換えると、すでに自分の中にある類型に文字を押し込めて、その枠組みで物事を見ている。それは深い洞察に支えられたものではなく、乗り物を操縦しているような、無意識的で衝動的な認知だ。

これからも文字を読まないような方向にインターフェイスは進化していくのかもしれない。でも自分の場合、圧倒的な洞察と明瞭さを掴んでいたのは他ならぬ「文字を読んでいた時」だったから、文字を読む感覚を忘れないようにしないといけないと思った。

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