仕事を頑張るモチベーションは人それぞれだ.ときにはそれを見失ってしまい,燃え尽きたようになってしまう人もいるかもしれない. 自分は睡眠に不都合を抱えており,このため仕事の成果量が不安定で,会社で取り残されるような不安に常にとりつかれていて,うまくやっていける自信を無くしがちだ. 似たような話で,ソフトウェアエンジニア,とりわけWeb系に属するエンジニアは,GAFAが提供する最新のプラットフォームや技術に追従する機会が多いから,置いていかれるような不安感を強く感じることがあると思う.先頭集団であり続けなければというプレッシャー,そして今自分が先頭集団ではないことに苦しんでいる人も多いのではないだろうか.
自分が「先頭」にいない時の不安とどう戦うのか.どう前に進むためのモチベーションを得るのか.
tl;dr
- 最高のチャンスというのは結局目の前にあるその仕事のことだ
- それを極めろ
- やれること極めればやれることが広がる
- あらゆる仕事は尊い
続き
自分の悩みにこういうものがある.今自分は仕事でPerlを書いているけれど,この先Perlでやっていけるか不安だ.まわりではGoやPythonといった言語の利用が増えている.Perlには漠然と古いイメージがあって,Perlで書かれたプロダクトを頑張ってメンテするようなモチベーションが起こりにくい.
Web系ではいつだって最新のキラキラしたプロダクトや技術がちやほやされるものだから,同じような悩みを抱えている人もいるかもしれない. 状況を整理するとこんなところだろうか.
- もっとすぐれた楽しいタスクがあるはずだ
- 自分は不遇にも今のタスクをさせられている
- こんな状況で頑張る意味を見出せない,モチベーションが湧かない
この状況はちょうど,チームスポーツをやる部活で望みのポジションを獲れなかった子供が置かれる心理的状況と同じだ.サッカーでフォワードになれなかった.嫌いなポジションだ. こういうとき,きっと子供はふてくされて練習を嫌になってしまうかもしれない.このような状況をいかに打開すればよいのだろう.
自分の事ではなく,どこかの子供の話として考えればすんなり合点のいく答えが出てくる.それは,今置かれた状況を極める戦略にあっさり切り替える,ということだ.
チームスポーツでは,勝つためにはチームである必要があるし,その持ち場で全力を発揮することで勝つことができる.自分の仕事は地味だが,組織の燦然たる一仕事だと考えることで,いくらか自分が納得ずくで仕事できるようになると思う.自分の仕事に対して前向きになることで,成果も結果的に上がることになる.
また,ソフトウェアエンジニアリングというものは各要素が有機的に繋がっていると,僕は考えている.今はPerlをやっていても,Perlによるソフトウェア開発を極めることで,結局他の要素を効率的に学ぶことになるし,仕事が評価されて他の仕事も任せられるようになるかもしれない.
なにごとも,自分が選んだんだという感覚が大事で,自分で選んだ仕事を大事にするというか,道を開くにはその道を極めるしかない,というなんかぐるぐるした法則で世の中成り立ってる気がする. 便利な横道などなくて,やらなければならない道こそが進むべき道で,そこが唯一の突破口になる.奇策を使ってやりたいことだけやって大勝利,みたいな妄想を僕は好きなのだけれど,世の中そうなっていなくて,だからこそ奇策なのだな.
今やってるタスクこそがもっともすぐれたタスクで,千載一遇のチャンスなのだと考えられるようになる必要がありそう.自分の仕事には意味があるんだ,という納得を自分で作り上げる必要がありそう.だからこそ,他人の仕事を笑ってはいけないというか,仕事は尊い,という倫理が生じるのだろうな,とも思う.