Lambdaカクテル

京都在住Webエンジニアの日記です

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同僚と自分とでナレッジを結晶化させる方法論の違いがあって面白かった

id:yigarashi *1と1on1をしていて、自分がid:yigarashiが書く記事はよく体系化されてるけど普段から体系化して情報を集めたりしてんの、という質問をしたところから色々面白い話を聞くことができたのでメモ。

いつ結晶化して展開するか

まず、自分もid:yigarashiも、わりかし頻繁にアウトプットしているほうの人間である。自分はだいたい2日に1本は記事を書いていて、Scala記事作成マシーンと化しているし、id:yigarashiは本数ではなく精緻に体系化した記事を書いて好評を得ている。 出力は二人ともよくやってるけど、どういうタイミングで自分の中に沖積した知恵を外に出力するの、という話題になった。

曰く、普段から特に体系化して記録しているというわけではなくて、メモ書きを残す程度はやっているらしい。するとたまに「ウオ〜俺の中で体系化されてきた気がする!!!」という瞬間があるので、それをうまく掴んで書き始めつつ章立てなどを整理していくと、そこを起点に結晶が成長するように知識が整理されていって(過冷却した水が衝撃をトリガーにどんどん凍っていくような感じを想像してほしい)、最終的に1本の記事が完成するという感じだった。結果として体系化された(内部的な齟齬を取り除いた)大きな記事、という形でアウトプットが行なわれる。

自分の場合も似ていて、「ウオ〜俺の中で体系化されてきた気がする!!!」という瞬間があるし、どんどんドミノが倒れていくように知識が明文化されていく感覚も普段から感じていたので、共通点を感じて面白かった。

トップダウンとボトムアップ

id:yigarashiの記事の特徴はトップダウンで、ある1つのテーマについて体系化して述べていくというスタイルになることが多いようだが、これとは対照的に、自分の記事は逆引き辞典的になりがちで、ボトムアップ的に各論から始めて一般的な知識を示す、というスタイルを取ることが多くて、先述した共通性とは裏腹にこちらは真逆になっているのが面白かった。

id:yigarashiは体系的に記事を書いているので1本あたりのボリュームが出るが、自分は検索エンジンで自分の記事とかに辿り着いて便利に使ってください、というか、過去と未来の自分が喜ぶような記事作りにしているので、1記事あたりのスコープは小さいし、言いたいことを言いきってしまった場合にはめちゃくちゃ分量が少ない記事になることもある。

blog.3qe.us

あと、自分は飽き性なので大きく出ると途中で中弛みしてしまい、カーソルがブラックホールに吸い込まれて出てこなくなってしまう。もしくは我慢できなくてすぐ記事を公開してしまう。なので、小さめの記事が性に合っているのかもしれない。

このへんは集中と分散みたいな対称関係があって面白い。

秘孔を突く

ちょっと脱線するけれど、「こうしたほうがいい」という課題を沢山挙げるより、一番レバレッジが効きそうな課題を1つ挙げたほうがいいんだよね、というアドバイスをもらったのが印象に残った。「秘孔を突く」と言ってもよさそうだが、そう書くと簡単に課題を解決するみたいなイメージになってしまうのでちょっと違うかもしれない。どの問題も重要なのだし軽んじていいわけではないのだが、最も「良い」問題と向き合って最上の結果を出したほうが、全体の問題に取り組んだよりも得るものが大きい、という含意である。たしかにそうで、問題というのは浅くチャプチャプやるよりは深く飛び込んで理解を深めたほうが良い結果が出るということは経験的になんとなくわかっていたので、納得感があった。

もちろんこれは一介のエンジニアが問題解決をやる、というスコープの話なので、それ以外のスコープでうまく運用できるかはわからない。

ロジックに身を任せてみる

着眼点が良いけど大きく波及してないことがある、というフィードバックも面白くて、どういうことかというと、ロジック的にはそうしたほうがいいと思ってるんだけど、より強い理論や権威に依拠しようとしてしまう(言い換えると、より強いロジックによって否定されることを嫌がる)がゆえに「こうしたほうがいい、だってこうだから」というロジックを繰り出すのを控えてしまう傾向が自分にあるな、と思った。そんなことせずとも、論理的に筋が通っていれば通るはずである。つまりもっと今持っているロジックを信頼して委ねてみる必要があるということで、よい示唆が得られたな、と思った。

*1:detailを付けてアイコンを出すことは敬称であるという文化がはてなにはあるので、敬称を略しているわけではない。

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