Lambdaカクテル

京都在住Webエンジニアの日記です

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スキッとしない / する

昔別の病院に行っていたとき、「スキッとする」というへんな表現があった。医者が言ったのだ。モヤモヤした感じが晴れて、脳が透明になっているような感覚。冬はつとめて。まっすぐものが見える感覚。思考が袋小路に陥っていない状態。

しかし初めてその表現を聞いて不思議と腑に落ちるというか、よくそう表現してくれた、と感心する思いがあった。なるほどスキッとすると言うのかと思った。そして自分はその状態を求めているのだと。

この表現は割と使われているらしく、ネットでもときおり目にする。やはりよくできた表現なのだろう。

自分はわりとコロコロ機嫌が変わるタイプなので、スキッとしないこともある。ただ、それで焦るようなこともない。人間は脳内伝達物質の奴隷だと知っているからだ。――――

自分が自分だと思っているもの、思考様式、そういったものはセロトニンやドーパミンの濃度で簡単に制御できてしまう。以前SNRIを処方されて飲んでいたとき、あれほど苦しかったのが、"現実に存在していた"つらさ、歩いても歩いても抜け出せない暗幕に絡め取られたような窒息感が、突風に攫われたテントのように吹き飛び、青空が見える。何もない。何も聞こえない。

じゃあ、「あれ」は何だったのか?心にだけ訪れるあの台風は?

――――脳内伝達物質の多少の狂いが見せていたただのミラージュ、幻影に過ぎなかったという残酷な事実に儚さを覚えたからだ。

なので、今日は物質の様子が悪いのだな〜位の気持ちでいる。まあそれはそれで困りはするのだが、アイス買いに行ったりして誤魔化している。

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