Lambdaカクテル

京都在住Webエンジニアの日記です

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scala

Play frameworkでJSONに余計なフィールドが含まれているときにエラーにするには

Reads[A]にはcomposeWithメソッドがあるため、これを利用して余分なフィールドを検出できる。composeWithは、いったん別のReadsを事前に経由させるメソッド。 Scala 3.3.0、play-json 3.0.4で確認した。 前提 まず、あるcase classと、余分なフィールドを含…

Scalaのfs2でテクニカルなStreamを作りたいときはPullを使うといい

Scalaにはfs2という非同期ストリーミング処理を生産的に行えるライブラリがある。ストリーミング処理なので、沢山のデータがどんどん流れてきたり、ビッグデータ的な情報を扱う企業でよく利用されている。 fs2.io speakerdeck.com 最初から非同期処理に対応…

Scala 3のsummonって何?

Scala 3にはsummonという関数がある。普段はあまり使うことがないが、知っておくとusingまわりのデバッグにも使えるとても便利なやつだ。この記事ではsummonの便利な利用法を紹介する。 docs.scala-lang.org 型の一致を確認する summonの典型的なユースケー…

Cats EffectのResourceで安全にリソースをむすんでひらいてしよう

Scalaの非同期処理フレームワークであるCats Effectには、非同期処理のためのバラエティ豊かな部品が沢山揃っていて、これらを組み合わせることで簡単に柔軟な非同期処理を書けるようになっている。 中でもよく登場する部品がResourceだ。Resourceを利用する…

Cats Effectの*>と>>の違いは何?Scaladocはあるの?調べてみました!

tl;dr どちらも「左を実行してから右を実行」であることに変わりない *>は再帰セーフではない 値渡し(IO[B])していることに起因する >>は再帰セーフ 名前渡し(=> IO[B])していることに起因する 特に理由がなければ>>を使おう Scaladoc しっかりScaladocに説…

Feral: Cats EffectとScala.jsを使って高性能なAWS Lambda Functionを迅速に作ろう

現代のクラウドネイティブな開発においてはいわゆるFaaS(Function as a Service)が欠かせない存在となりつつある。AWSではAWS Lambdaとして、Google CloudではCloud Functionsとして提供されるこのサービスは、小さなコード片をマシンのデプロイを行うことな…

Scala.jsで環境変数を呼び出したいときはsys.envではなくjs.Dynamicを利用する

Scala.jsをNode環境で動作させるときに環境変数を取得したかったけどうまく動かずにハマったのでメモ。 tl;dr val env = js.Dynamic.global.process.env.asInstanceOf[js.Dictionary[String]].toMap Scala.jsと環境変数 通常Scalaで環境変数にアクセスするに…

ScalaでWebアプリを爆速開発するための技術スタック 2024

去年はこれです。ちらほらスターがもらえていたりするので、今年も更新するかという気になった。 blog.3qe.us 以下の項目について技術スタックを考えていく。太字は今年になって追加したもの。 言語 エディタ ビルドツール スクリプティング ロギング テスト…

ScalaでWASMランタイムを実装してHello Worldを動かした感想

元同僚の id:tanishiking24 くんがScalaMatsuri 2024でWASMの発表をしたのだが、それもあってWASMへの興味が湧いていた自分もちょっとWASMで遊んでみようと思った。 そこで、ゴリラ氏が書いたWASMの記事を読んでScalaでWASMバイナリをパースして簡単なWASIが…

じゃあ何すか、COBOL以外では4.8 - 4.7 - 0.1できないってことっすか / ScalaとSpireで安心安全な計算ライフを実現しよう

先日こういうツイートが流れてきた。 Q:なぜ金融系では未だにCOBOLが使われるんですか?A:お手元にExcelがありましたら任意のセルに「=4.8-4.7-0.1」って入れてみてください。— 遊撃部長F/S&RWAs (@fstora) 2024年6月6日 Q:なぜ金融系では未だにCOBOLが使わ…

Scala 3ではGeneral Type ProjectionのかわりにMatch Typesを使いましょう / Type Lambdasも使える

Scala 2ではこういう表現がたまにあった: trait Entity { type Key } type KeyOfEntity[E

Tagged Type(Branded Type)を使って飛行機の不時着や人工衛星紛失を防ごう / Scala 3ではTagged Typeを簡単に作れる

Tagged Type というテクニックがある(TypeScript界隈などではBranded Typeと呼ばれているようだ)。実行時の型としては同じだが、型システム上はこれを区別して別物として扱い、混同できなくする仕組みを作るためのものだ。 AIくん!サムネイラスト作って!…

Scala 3でEnumの逆引きをするには事前にマッピングを用意してやるといい

最近WASMに興味がでてきて、ゴールデンウィークにWASMランタイムをScala 3で実装している。もう結構な命令を実行できるようになって、バイナリをパースして足し算を実行するくらいならできるようになった。 WASMは機械語なので、オペコードと引数が命令とし…

GitHub ActionsからCodeBuildを呼び出せるようになったのでx86_64とaarch64とでクロスビルドしてみた

先日、GitHub Actionsからマネージドランナー扱いでAWS CodeBuildを呼び出せるようになった。 aws.amazon.com CodeBuildからはLambda環境を呼び出すこともできるので、簡単な処理ならLambdaを使い、ビルドなどの大掛かりでファイルシステムを触るような処理…

(初心者向け)Scalaでsbtプロジェクトを作るときの勘所

この記事では、Scala初心者がプロジェクトを作るときに分かりにくい(であろう)ポイントを埋めようというものです。 こんな記事を読んだ。 trap.jp 普段Rustを書いている人がScalaを書いてみたという内容の記事で、普段Scalaに振れていない人の視点があってと…

ScalaのDIライブラリAirframe DIの使い方、そしてそれがおすすめである理由

Airframe DIについて調べて遊んでみたところ良さそうだったので紹介します。DIについて知っている人は先頭2節をスキップしてよいです。 サンプルもあります。 github.com ソフトウェアでよくある問題: 分割、結合、交換 DIとは Airframe DIとは Airframe DI…

Scala Native 0.5.0がリリースされた (バイナリサイズが6割に)

先日(4月11日)、Scala Native 0.5.0がリリースされた。やったー! Scala Native 0.5.0 has been released! The long await multithreading, initial 32-bit architectures support and many more are now available.See https://t.co/ynLcSIJ5jK for more de…

ScalaにGoroutineがやってくる!非同期処理ライブラリOxで遊んだ

Channelスタイルの並行処理の記述を(もちろん型安全に)可能にするライブラリOxについて調べて試してみた。結論から言うと書き味がめちゃくちゃ良くて面白い。 ソースコードも置いておく。 github.com Ox Oxとは、sttpなどの開発でお馴染のSoftwareMillによっ…

Scala.jsのフロントエンドUIライブラリLaminarの書き味がどんなもんなのかのメモ

驚くなかれ、ScalaはJavascript(ESModuleかCommonJS)にコンパイルできる。それがScala.jsである。 www.scala-js.org 普通に10年開発されていて、普通にぜんぜんScalaが動く。ぜんぜんバグがない。昔はHello,Worldすると20MBのJSが吐き出されるというギャグが…

2024年春のCatsの呼び出し方はcats.syntax.all

tl;dr 2024年春時点では、Catsのimportでとりあえず全部importしたいとき(つまり大抵のユースケース)では以下のようにcats.syntax.allをまず連れてくるのが正解みたい。 import cats.syntax.all._ // または import cats.syntax.all.{*, given} たまにこれで…

ちっちゃなScalaコンテナを作つコツ(6 MiBだぞ)

おなじみの画像 JavaやScalaといったJVM言語のDockerイメージは、JVMを同梱しなければならない都合で肥大化しがちである。特に何もしなくても、例えば一般的なamazoncorretto:21のイメージサイズは217.7 MBもある。 hub.docker.com これにさらにビルド済みの…

Scala 3の先進的なロギングライブラリScribeの使い方、構造、カスタマイズについて

この記事では、Scala 3用のロギングライブラリであるScribeについて、以下のことを説明する(順不同)。 インストール方法と基礎的な使い方 従来のロギングライブラリとの思想的な違いと優位性 Scribeの構造 そしてこれを利用した発展的な使い方 あらすじ な…

2024年版: Scala+sbtで新Maven Centralにパブリッシュする

新しくなったMaven CentralにScalaプロジェクトをパブリッシュできたのでその手順をまとめた。 背景 パブリッシュとは おおまかな流れ 事前に準備するもの Maven Centralのページからnamespaceを取っておく テスト用リポジトリを作る sbt-sonatypeの最新版を…

Play Frameworkのテンプレートで@記号を入力したいときは2つ重ねればいい

タイトルが全てです。Play FrameworkのテンプレートエンジンTwirlは@を特殊扱いしています。Play 3.0で確認しましたが、どのバージョンでも同じはず。 @foo こう書くと変数fooへの参照になるわけです。 Bootstrapを使いたいときに以下のようなコードをテンプ…

Play Frameworkでテンプレートを切り出して別のテンプレートで利用するには@ファイル名を書くだけでいい

タイトルがほぼ全てです。Play Frameworkで別のテンプレートを呼び出して埋め込みたいことがあると思います。よく見ると書いてある Scala Template Use Cases - 2.6.xがぜんぜんドキュメントには書いてない。というわけで日本語の情報を残しておきます。 Pla…

Scalaで一番簡単に構造化ロギングを行うには / 最新のLogbackではデフォルトでJSONを吐ける

構造化ログという概念がある。ログをこれまでのプレーンテキストではなく、なんか良い感じのシリアライズフォーマットを使って出力することで、各種の再利用性を高めるのが目的だ。一般には、ログの各メッセージをJSONに収め、JSON Lines形式にすることが多…

Lensを始めとするOpticsがプログラミングをどう変えるか / 複雑なデータのモデリングをサボるには

仕事でLensを使う機会があった。Lensは複雑で入り組んだデータ構造の読み書きに非常に効果的な手法であるにもかかわらず、関数型プログラマ以外にはあまり知られていないように思える。 そこでこの記事では、Lensとは何なのか、なにが良いのか、具体的にどの…

Scalaで複数のリストをzipするならlazyZipがおすすめ(きれいに収まる)

Scalaでコードを書いていて、複数のリストをzipすることがあった。 val xs: List[Int] = ??? val ys: List[Int] = ??? val zs: List[String] = ??? xs.zip(ys).zip(zs) // => List[((Int, Int), String)] しかしzipは2つのリストからList[(A, B)]を作るので…

Scala CLIのDockerイメージを使うと本当に簡単にシングルバイナリを生成できて便利

Scala CLIのおもしろい使い方を見付けたのでメモ。これまでと比べてはるかにScalaのちょっとしたスクリプトのシングルバイナリを生成できるようになるので、本当にGolangみたいに簡単にちょっとしたツールを作れるようになった。 scala-cli package Scala Na…

値の検証もコンパイラにやらせよう: Scala 3でRefinement TypesやるにはIronっていうライブラリが良さそう

Scala 3でRefinement Types(篩型)を実現するライブラリIronに入門したので紹介します。最初はRefinedに入門しようとしてたら、Scala 3ではあまり動かなかったのでそのままIronに入門しました。 tl;dr Refinement Typesっていうのを使うと、普段動的にチェッ…

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