Minecraftのサーバを管理するツールであるMSMに,MinecraftのMODに必要な共通ライブラリであるForgeをインストールし,Forge対応サーバを構築した記録です.
MSMとは
MSMとは,Minecraft Server Managerの略で, 一つのサーバマシンの下で複数のMinecraftサーバを動かすための管理ツールである. MSMがサーバの動作に必要なファイルを共通化することで,単純に複数個のMinecraftサーバを立ち上げるよりも,ストレージの使用容量が削減される.
MSMは便利なワールドバックアップ機能も備えている.
MSMをセットアップする
MSMのセットアップは難しくない.ここでは執筆時点で最新のMSM 0.9.3を使用する.
セットアップ手順は,公式インストールガイド(英語)を元にしている.
事前要件
- cronがインストールされている
- sudoが正しくセットアップされている
msmのインストール(Ubuntu, Debian系Linuxの場合)
CentOS, Fedora, RedHat系linuxの場合は読み飛ばす.
以下のコマンドを実行する.
$ wget -q http://git.io/Sxpr9g -O /tmp/msm && bash /tmp/msm
msmのインストール(CentOS, Fedora, RedHat系Linuxの場合)
Ubuntu, Debian系Linuxの場合は読み飛ばす.
以下のコマンドを実行する.
$ wget -q http://git.io/lu0ULA -O /tmp/msm && bash /tmp/msm
セットアップの完了
前述のコマンドにより,以下のセットアップが行われる.
msm
コマンドが/usr/local/bin/
に作成される.- rootだと
/usr/local/bin
が$PATH
に追加されておらず,直接実行できないことがある.((alias sudo="sudo "
をprofileに追加するとパスが展開されて便利))
- rootだと
/etc/msm.conf
が作成される./opt/msm
が作成される./opt/msm
をホームディレクトリとするminecraft
ユーザが作成される./etc/init.d/
以下にmsmの自動起動スクリプトがセットアップされる.- systemd用のセットアップは行われないので留意すること.
- バックアップが動作するために,cronがセットアップされる.
MSMが使えるようになった.
MSMでサーバをセットアップする
まずデフォルトの設定でMinecraftサーバを1台セットアップする.ここでダウンロードされるバニラ版のJARは最終的には使われない.
Forgeをインストールする前提として,ここでは最新のminecraft(執筆時点では1.12.2)を使用する.
$ msm server create Minecraftサーバ名
msm server create
コマンドにより,特にバージョンを指定しない場合は最新のJARファイル (執筆時点では1.12.2) が/opt/msm/jars/minecraft
にダウンロードされる.
念のため,server.properties
にもサーバのバージョンを指定する.msm-version
が指定されていると,MSMは優先的にこのバージョンのMinecraft JARファイルを使うようになる.
# 最終行に追加 msm-version=minecraft/1.12.2
MSMの管理下に,Minecraftサーバが1台セットアップされた.
MSMのMinecraftサーバにインストールするためのForgeをダウンロードする
ForgeはJARで提供されており,これにライブラリを加えて,バニラ版のJARの代わりに呼び出す.
まず以下のリンクから,基本的に右側のRecommended版をダウンロードする. 左側はLatest版で,頻繁に更新される上バグが取れきっておらず,特にLatest版のForgeを要求する一部のMODを使いたいのでなければ控えたほうがよい. 基本的にはRecommended版で十分である.
InstallerとUniversalの両方をダウンロードする.
https://files.minecraftforge.net
直接サーバマシンにダウンロードしたいが,adfoc.usという邪魔な広告サイトを経由してダウンロードすることになるので,手元にダウンロードされる.
手元がlinux環境の場合,scpを使って2つとも転送し,Minecraftサーバのディレクトリに移動させる.
$ scp 2つのJARファイル サーバマシンのFQDN:/home/普段ログインするユーザ名/ $ ssh サーバマシンのFQDN $ mv 2つのjarファイル /opt/msm/servers/サーバ名/
例
$ scp forge-1.12.2-14.23.0.2545-installer.jar forge-1.12.2-14.23.0.2545-universal.jar example.com/home/windymelt/ $ ssh example.com $ mv forge-1.12.2-14.23.0.2545-installer.jar forge-1.12.2-14.23.0.2545-universal.jar /opt/msm/servers/myserver/
Forgeをインストールする
ForgeのUniversal版とインストーラが,MSM管理下のサーバのディレクトリに配置されている. このままでは動かないので,Forgeの動作に必要なライブラリをダウンロードさせる. 以下のようなコマンドをサーバマシン上で動作させる.
$ cd /opt/msm/servers/Minecraftサーバ名 $ sudo su minecraft # minecraftユーザになる $ java -jar forge-1.12.2-14.23.0.2545-installer.jar forge-1.12.2-14.23.0.2491-universal.jar --installServer
libraries
ディレクトリとmods
ディレクトリが作成される.これでForgeが起動できるようになった.
バニラのMinecraftサーバではなくForgeを使うようにする
minecraftユーザで以下を実行することで,シンボリックリンクを張り直し,MSM管理下のJARではなくForgeのJARを読み込むようにする.
$ cd /opt/msm/servers/Minecraftサーバ名 $ rm server.jar # 既にあるシンボリックリンクを削除する $ ln -s forge-1.12.2-14.23.0.2491-universal.jar server.jar # シンボリックリンクを張り直す
サーバを起動する
msm
コマンドを使ってMinecraftサーバを起動する.これはminecraftユーザでなくともよい.
$ msm Minecraftサーバ名 start
クライアントにもForgeをインストールする
これは調べればすぐに出てくるし簡単なので割愛する.
終わりに
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