ソフトウェアの世界はめっちゃでかいので、知らない概念というのが必ずある。その一方で、自分の中では「これは知ってて当然」と認識している概念もある。
不幸なことに、この両者がかち合うことがある。例えば俺は浮動小数点数のNaNの仕様をあまりよく知らない。でも情報系ならちゃんと習ってそうだし、データ構造の本にも必ず載ってると思う。そのくらい基礎的というイメージがある。だが俺は知らない。
こういうとき俺はやべー!という気持ちになる。劣等感というか、引け目を感じる意識が生まれる。しかしそれは良くないことだと俺は考える。劣等感や焦燥感で勉強など続かないからだ。辛い気持ちで追いつこうとすることほど自尊心を傷つけることはない。
だから俺は「まだ俺の道具箱に入っていないだけや!!」と思うことにした。これから必要に応じてやればよいし、やるからにはしっかり学んで、研ぎ澄ました道具を道具箱に入れてやればよいのだ。そう思うことで、俺は勇気を取り戻した。
ソフトウェアの世界は広大なのだ。名だたる冒険者もすべての土地を知っている訳ではない。知らない事は冒険を続けて知っていけばいい。冒険を続けるためには、冒険を恐れないことだ。劣等感、無力感、自分をちっぽけな存在だと思う心は、冒険の間は注意深く取り除いたほうが良さそうだ。