いい天気で暖かかったので出掛けないのは勿体なく思いその辺で腹ごしらえをしてから足をウキウキさせて鴨川の方に行ってみた。
高瀬川には桜が満開で、僕は鴨川まで行くのを一旦やめて高瀬川沿いに上っていった。桜吹雪に誰もが一度足を止め、自然と桜を楽しむ雰囲気が漂っていた。そんな最中、ウエディングドレスの新郎新婦が現れて写真撮影が始まった。ウエディングドレスを見かける人は皆祝福の言葉をかけるのだ。そういった服はもとより状態もなかなか無いと思う。現代の奇跡だと言って良い。
人の幸せを噛みしめながら鴨川を渡って西の河川敷に降りると既にわらわらと思い思いの場所で春を眺めている。少し場所を探しつついよいよ乾いた芝生に腰を下ろすと、柔らかい空気の中に芝生の匂いがして、洗いたてのシーツを思わせた。団欒のざわめきがふわふわ充満して心地よく、そのまま石の壁を背にもたれて目を閉じるままにまどろんでいると子供の頃を思い出す。春に洗われる。アリが背中に入る。
余談ながら家にカーペットを敷いた。正確にはキリムといって絨毯からパイルを除いた毛織物で、ごろごろできる安心感を供給している。文様も素敵だ。
家が少し華やいで、誰かを招きたい気分になる。そのうち観葉植物を飼って居心地を良くしていきたい。絵も飾りたい。人間らしい暮らしがようやくはじまったのだなという感慨がある。四角い空間が部屋としてまともな生を受け始めた。
クレカの明細をみるのがつらい。