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自分を生きろ/他人を捨てろ

最近エマソンの『自己信頼』を読んで得るものが多かったので,最近のツイートと併せてメモしておく.

自信―エマソンの『経験』と『自己信頼』新訳

自信―エマソンの『経験』と『自己信頼』新訳

  • 作者: ラルフ・ウォルドー・エマソン,大間知知子
  • 出版社/メーカー: 興陽館
  • 発売日: 2018/04/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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エマソンによれば,(誰の顔色もうかがう必要のない子供のように)徹底的に自分を信じることがよりよい人生を導くという.そのためには,見せかけの愛や無意味な慣習を拒絶するべきで,世間から非難されたり孤立することを恐れてはいけないという.

大人は自意識の檻に捕らわれている。注目を浴びるような行動や発言をしたとたんに、何百人もの共感や憎悪によって監視される囚人となり、人々の感情を考慮せずには何もできなくなる。

ぼくは罪を償いたいのではなく、生きたい。ぼくの人生は生きるためもので、見世物にするためにあるのではない。

しかもエマソンは慈善や寄付すらも拒絶する姿勢を見せている.自分はそこにいるだけでその役目を果たしており,わざわざ自分の名前を売るようなことをする必要はないというわけだ.そんなことをせずに自分が信じたことをやるべきだ,というわけだ.彼は元牧師だったということもあり(当時の教会の古い因習に嫌気がさしてやめてしまったのだ),彼のフレーズには頻繁に「神がもたらした」とか「全能の神の御心に従い」といった言葉が登場する.彼は世間や社会,慣習といった世俗的なものよりも,自分の直感や意思といったものを,神が自分に直接もたらす光とみなして優先しているところがある.

そういったこともあって以下のようなツイートをした.

自分の体調が悪いときは大抵ほかの誰かや世間が意識に侵入しているときだということがわかっている. 世の中はこんなにつらいとか,こういうひどい話が起こっているとか, そういうことが意識の奥深くにまで侵入する土壌を作ってしまっているのは俺自身だ. 世の中について何も考えていない時の方が,不安に駆られたりすることがない.

もちろん世間に関心を寄せて,社会的な事柄に参画していくのも悪くないだろう. だがそれができるのは自分の能力が余っているときに限られるのであって, うおおやっていくぞとなっているような状態でやるようなことではない. 俺のほかに人間はたくさんいるし,やる気のある人間がよしなにやってくれると信じた方がよい. 自分の心が,自分よりも自分以外を優先してはいけない.まずは自分のことだけを考えて, うまく働けたり好きなことができて調子づいた時に初めて,社会に目を向けて考えたりすることができる. だから今は,言い方が悪いが,非情にも他人を切り捨てようと思った.そうしなければ自分の精神のバランスを維持しきれないのだ.

しかしながらネットをやる限り,こうした社会的要素が生活に侵入してくることは避けられない. ツイッターをやっていても何を見ていても,「こんなひどい話がありました!!」といった話は聞かない方が難しい. (言い方が悪いが)生まれつき図太い人間はこういう事柄を無視して自分の人生を歩んでいけるに違いない. だが俺はよくないことが何でも気になる性分なので,正常性バイアスを活用できない.まあなんとかなるさ,とならないのである. だから意図して世間から耳を塞いで生きていくのが俺の精神性に合っているのかもしれない.

これが大人になるってことなのかもしれない.大人は何でも決めつけたがるし,まずいことが起きていてもそれを素知らぬ顔で無視するか,どうせたいしたことはないという顔をする. 他人に対して恐ろしいほど鈍感なのが大人なのだ. 俺はそれが嫌で何でも批判的に考えるようにしてきたし,それでよい方向に動くのかといったことを考える癖がつけてきた. 誰かが傷つくのに敏感になっていた.それがよいことだと思っていたが,それでは俺の精神が持たないことに気づいてしまった. だからどっちにつくか,あるいはほかの道があるのかを考えなければならない岐路に立たされている.

ネットが日々の生活に浸透して、そこから染み出る「世間」が持つ影響力がどんどん大きくなっていき,別に自分はこう思っているからいい,といった自意識の行使が難しくなるならば, すべてに耳を塞いで都合のよい世界を見るか,すべてに向き合って戦い続け精神をすり減らすかのどちらかになるのではないかと思っている. 良くも悪くもネットは俺の人生を激変させてしまったのだ.

そういえば成人の日でしたね.

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