良いサークルと良い組織の話。
サークルで同じバンドをやっている仲間と他の仲間を送り届けた後の帰り道で、うちのサークルはめっちゃ良いサークルという話をした。
うちのサークル──少なくとも僕たちと同じ世代のメンバー──はすごくいい人ばかりしかいない。
うちは軽音楽をやっているサークルなので、それぞれのメンバーの個が強い。そのせいかどうかはわからないが、それぞれのメンバーはお互いの領域に踏み込まない。技術的な指摘や、バンドの活動上の物事の指摘などはするが、互いの自尊心を傷つけるような言動は絶対に行わない。全てのメンバーが、自分自身の個を確立しているから、それに土足で踏み込まれることの不快さをよく知っているし、他人の個性を認めているから、素直に人を尊敬し、愛情をもって関わることができる。だから自然にコミニュケーションに気を使うことができる。
これは1つの大きなヒントだと思う。自らの個を確立していない人は、人の個を侵害しても、そのことに気がつかない。
うちのサークルは40名ほどが在籍する大所帯だが、基本的に所属するメンバーは自由で、サークル全体として行わなければならない行事等が発生する場合にのみ会長などの幹部が指示を出すというスタイルをとっている。そうでないときは各自のバンドが勝手に練習をしたり勝手にライブハウスに行ってライブをしたりしている。僕たちが集まるのは週に1度のミーティングで数十分間ほどの連絡をしたりするだけだ。後はメーリングリストやLINEなどを使って連絡が行われている。組織は極めて自律的で、つながりはかなりゆるい。だが同じサークルに所属するメンバーとしての連帯感はとても強い。
この連帯感がどこから来るのかと言うと、やはりお互いが個を認め合っているから、気兼ねなくコミニケーションが取れると言うことがあるのではないかと思う。また、バンドは学年をまたいで勝手に結成されるので、有機的に人々が結びついているから全体的に柔軟なコミニュケーションが取れるというのも連帯感を生む土壌になっていると思う。また、会長その他幹部の意欲が高いから、初めは頼りなくてもすぐに手腕を発揮するようになるというのもある。
こういった組織の構成は、最近のエンジニアの開発現場で話題になるような「いい組織」みたいなのと共通性があるような気がする。
だいたい、うちのサークルが一同に会するのはライブかミーティングくらいなので、主にメンバーは音楽を通じて触れ合うことになる。だから互いの関心は基本的に音楽ばかりになって、一種の技術者集団の様相を呈している。そういうわけで音楽に関係ないことはあまり興味の対象にならないし、音楽に関係する事は謙虚に受け止めて吸収していく。したがって変ないがみ合いみたいな事は起こらない。
とにかくうちのサークルは、本当にみんなが気兼ねなく在籍していられるとても良い空間を作っていると思う。自慢できる。