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「お母さん銀行」のメリット・デメリット

お母さんにお年玉を預けた事はありますか?僕はあります。定期的に紛争が発生し、禍根を残すこともあるお母さん銀行ですが、お母さんがお金を預かる事のメリットとデメリットについて考えてみます。

メリット: 金融・信用創造

ふだん使わないお金を預かり、お金が必要な人のところに貸し出すことを金融と呼びます。これによりお金の偏在が解消され、世の中の経済活動は活発になります。我々の預金は銀行により企業に貸し付けられ、企業は事業に必要な資金を調達することができるのです。

お母さん銀行は子供から預かったお年玉、誕生日祝い金を転がすことで家計に資金を供給します。夫婦に3人の子供がいる場合を考えてみましょう。それぞれの子供が5000円をお母さん銀行に預けた場合、合計して1万5000円がお母さん銀行のコントロール下に入ります。もし子供の一人に入学などで大金が必要な事態が生じた場合、お母さん銀行は資金を供給することができます。銀行は資金の融通、すなわち金融を行う存在です。

銀行は世間に出回るお金を増やすことができます。先程の三人の子供をA、B、Cとして、このようなケースを考えてみましょう。

A、B、Cはそれぞれ5000円ずつお母さん銀行に預けている。AはBが持っているゲームソフトを買いたいが、預けている5000円に加えてさらに3000円が必要だ。

そもそも兄弟(姉妹)なのだからゲームは共有しろといった無粋なツッコミをしてはだめです。この家庭は所有権を重んじる家庭だからです。

まずお母さん銀行は預かっている15000円のうち5000円をAに返し、さらに3000円を融資します。Aはゲームを買うことができました。Bはゲームを売却して得た資金8000円をお母さん銀行に預けます。この時点でお母さん銀行預金は、Aは全ての預金を引き出したので0円、Bは元々持っていた5000円と売却で得た8000円を加えた13000円、Cは最初から5000円の預金を持っているから、合計で18000円の預金が存在していることになります。市場に存在するお金が増えました。銀行が預金と貸付けを繰り返すことで市場に流通するお金を増加させることを信用創造と呼びます。お母さん銀行は子供たちの景気を良くしています。

お母さん銀行の貸付けシステムは、「 統計的に一度に全ての預金が引き出されない」という前提のもとに成り立っています。3人が同時に預金を引き出そうとすれば、お母さん銀行は破綻してしまい、お父さん銀行が緊急の融資を行うでしょう。これを防ぐために、お母さん銀行は常に預金の一定額を貸出さずに保有しておかなければならない、とする決まりを設けることで、突然多量の引出しが行なわれても対応できるようにします。この金額をを法定準備預金額と呼び、預金額に対する法定準備預金額の比率を法定準備率と呼びます。

デメリット: お母さんはお金を返さない

お母さん銀行は通帳を設けない場合がほとんどです。預かり証を発行しないため、子供は預金の額を自分で把握しなければならず、預金引出しについての係争が発生した場合に圧倒的に不利な立場に立たされることになります。お母さん銀行を利用する場合は、必ず通帳を発行させる必要があります。また、顧客の預金を着服するという極めて悪質な事件が多々報告されており、利用者はこのことに留意しなければなりません。事前の通告無く預金封鎖を行う事例も報告されています。

労働基準法第18条

使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。

お母さん銀行への貯金を条件に労働させる行為は違法です。*1

付記

この記事はネタ記事なのであまり真に受けてはいけません。民法では親権として、未成年者たる子供の親による財産管理権を認めています。今日は22歳の誕生日ですが、一身上の都合によりお母さん銀行を利用したためこの記事を書きました。

*1:児童労働も違法です。

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