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家にあるテレビはさっぱり使われていなくて,先程久々に電源を入れて番組を見たところ,何ということか. テレビの向こうの社会とつながったような気がして,孤独感が薄らいだのだ.まあ僕はいつもそういう感じです.
だいたいどうしてテレビをつけていないかといえば,どうでもいいことを針小棒大に報道したり,買いたくもないものを買わせようと露骨な宣伝をするのがいい加減に癪になるほど番組の質がひどいから.もしくは自分がひねくれているというアレです.
たまに見たい番組もあるのだけど,電源を入れないのが癖になるとずっと電源を入れなくなってしまったので,用事のないときは特に何もしようがなく,自分の世界に浸ることを余儀なくされる.
自分の自分の世界は別に素晴らしくもなくて,せいぜい100坪くらいの空間に収まる程度には貧相.時事問題や世の中とかには興味があるけど,なんか,熱がもうない.
浸る行為が能動的なものではなく消極的で,あー自分は趣味がないなあとか,絵が描きたいけどどうせ上手くはならないよなあとか,このままエンジニアとして食っていけるのかなあとか,そういう精神的な負荷で自分の世界は満ちている.オエッ.
もちろんそれが良くないのはわかっていて,絵を描きたくなったりもするのだけれど,すぐに魂が逃げていったようになってやめてしまう.どうやら僕は精神的な燃料タンクがちっこいようだ.自分の世界にうまくとじこもるのは一種の技術だと思う. あなたは自分の世界を持っているか.テレビが無くても休日に雨が降っていても,友達が忙しくても,スマホの通知にうんざりして電源を切っても,心の中に花を咲かせられるような土壌はあるか.
適当に高校から大学生を生きてきてしまって,そういう畑に水をやっていなかった報いを今受けているところだ. あー日常がつまらんな,というそれ自体が陳腐な言葉を発しては,明日に幸せを見出そうと何かを考え,面倒になってやめてしまうのだ.でもそういう不幸力が高い自分が好き.
ようするに,熱中できない体質になったようですね.悪い意味で大人になってしまったというか,自分よりもずっと上手だったり高い場所にいる人間を見すぎてきて,無気力になってるのかもしれんね.