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『本を読む本』と『文章力の基本』のちょっとした書評

ども。たまたま二冊の対照的な書籍、『本を読む本』と『文章力の基本』を読む機会があった。読み手の側から本と読書との関係を捉える古典的ロングセラーと、書き手の側から文章作成の技術面について捉えた書籍であり、どちらも名著と謂っていいだろう。

まず一冊目である『本を読む本』は、精神世界を推し広げるような知的な読書法について、様々な読者を想定したいくつかの読書のレベルに基き、より深い読書を達成するための技法について解説する。

二冊目である『文章力の基本』では、漠然と捉えられがちな「文章力」を著者の経験から体系的にはっきりと再構築して例を交じえながら解説し、著者本人が語りかけるように読者を文章力の高みに誘う。

僕は先に『本を読む本』を読了し、次いでもう一冊を読んだ。「書く側の指南書」である二冊目を読み進めるにつれて、「読む側の心得」である一冊目で論ぜられる事柄との間にうっすらと呼応するような結びつきを感じる。『文書力の基本』を読み進めるにつれて、一冊目で言葉を換えつつ繰り返し述べられる、良い本(ならびにその著者)と向かい合うためには良い読者でなければならず、そのいずれかが足りなくても智恵の伝達はなされないのだと云う提言が俄然と説得力を持ち出すのをしみじみ感じた。

これら二冊に影響されて、これからより深い読書の沼に沈んでいく予感を感じる。これが果たして本当だと信じたいし、その為の環境構築に精を出したいと思った。

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)

文章力の基本

文章力の基本

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