ずっと観たかった『トラ・トラ・トラ!』をようやく観ることができた。映画自体はよく出来ていたと思うけれど、面白い「ダメージ」の表現を見付けたのでメモ。
物語の中・終盤で(ようやく)一航艦が真珠湾を奇襲し、米海軍の戦艦・巡洋艦を航空戦力で複数撃沈したり地上設備をこれでもかと焼きまくったりするのだが、(おそらく旗艦「赤城」の)艦上でその報告を受けたお偉方たち(南雲中将とかだったかな)が、米艦隊の各艦を並べた図に線を引いていくシーンがあった。以下の図が沢山並んでいる感じ。(図中の艦影は適当。数字は著者による。)
図の意味はだいたいこういうことらしかった。
- 1.の線は小破を示す
- 2.の線も引くと中破を示す
- 3.の線も引くと大破を示す
- 4.の線も引くと撃沈したことを示す
このような表記が史実に依るものかどうかは不明だが、よくできた表記だと感心した。
また、繰り返しになるがこの映画は戦術や戦略が結構よく描かれていて楽しめる。日本軍の暗号がガバガバですぐに解読されているシーンとか、アメリカも慢心して適当に計画した挙句奇襲されてしまう描写とか、上司の命令で部下が混乱する話とか、もうどうしようもない泥臭い感じで好きだ。ドンパチするシーンこそ派手だが、ストーリーの大部分は交渉だとか戦略だとかの地味だがシリアスなシーンとなっている。また、日本人を日本人役者が演じていてちゃんとマトモな日本語を喋っているのも、ハリウッドのくせによく出来ていると感じた。
ちなみにドンパチするシーンはとんでもなく金をかけているようで、飛行機を爆破しまくったり建物を吹き飛ばしたり、飛行機を片足で着陸させたり(!?)と、CGも無い時代にすごい手間と労力が投入されている。日本の戦闘機や攻撃機の類も全てアメリカの戦闘機を改造再現して飛ばしている。「赤城」は「レキシントン」を使用して撮影したようだ。こういう映画を作れるアメリカに戦争で勝てる訳が無いという印象をひしひしと感じてしまうのが悲しいところである。
ちなみに航空機が爆発するシーンの一部で、予想外の方向に飛行機が吹っ飛んで来たのでスタントマンが腰を抜かしつつ必死で逃げているシーンがある。大変そうだ。
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