Lambdaカクテル

京都在住Webエンジニアの日記です

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エンジニアが柔軟に考える事の内面化について考えた

id:Windymeltです。夜はもうめっきり涼しくなりました。とはいえ不眠の調子はまずまずで,睡眠外来の医者を取ろうとしたら最短でも12月になるらしく。相当数の人間が今日も眠れないのだろうと思いながら記事を書いています。

自分は慢性的な不眠症を持っていて公私ともにけっこう困っており,周りの方々の理解のおかげで働けているのですが,最近どうして眠れないのか考えていたところ,それは自分の考え方とエンジニア的世界観との摩擦によってもたらされているのではないかと思うところがあったので,しばらく考えることにしました。 暗黙的に求められる柔軟さについて悩んでいる人がいれば参考にしていただけると嬉しいです。

禁断のおやつ

もともと自分はよくいるPCゲーム好きな中学生だった。それが今みたいにソフトウェアエンジニアリングでおまんまを頂くようになるまでに,本とかブログとかでプログラマとは何ぞや,エンジニアとは何ぞやという薫陶を受けてきたので,今の自分の思想はそこに基くところが多い。みんなそうだと思います。インターネットに関するソフトウェアを書いている人間は,だいたいこのような薫陶をインターネットの先進的な論壇を通じて受けてきたのではないだろうか。有名なエンジニアがいて,誰しもが彼/彼女らに影響を受けてこの道に入っている。

そういうインターネットのスターたちの間で受け容れられている様々な美徳のうちの一つに,柔軟性がある。 良いエンジニアは柔軟である。これは疑う余地なく正しいと皆が考えている。柔軟なエンジニアは「ルールが間違っているかもしれない」「考え方を変える必要がある」といったムーブを受け容れ,実践する。だから特にWeb系のエンジニアには自由でリベラルな気風がある。変化が激しい業界で生き残るには,柔軟に適応していく必要が常にあるからだ。多様であること,当たり前を疑うこと,正しさについて考えることは半ば常識と化している。

それは正しい。少なくとも会社の中では。私生活の中では?疑わしい。逆にこの規範が私生活に介入してきて,自分を傷付けてきたことも事実なのである。

正しさを考える,いうなればリベラルであり続けることは,けっこう負担になる。朝起きたときに何するのかを毎回検討している人間はいなくて,無意識に流れ作業でやることやって会社に向かう。 でもリベラルであり続けようとすればするほど,ニュースを見聞きするたびに,モノを買うたびに,人と話すたびに,「その正しさ」が意識の中に頭をもたげてきて,瞬発的に笑えないし,悲しめない。

自分自身,柔軟であることとリベラルであることについて混同していたきらいがあるかもしれない。今言語化して気付いたのだが,この両者が対象としている領域は微妙にずれている。

おそらく「柔軟である」ということは仕事の対象領域についての道徳なのであって,私生活でもそれを実践せよというわけではないのだなあと一人納得する。 高校の頃って何にでも影響されがちで,何か読むたびにプライベートな心の内面にまでそれが深く刺さって抜けなくなる。 働いてもいないのに仕事系のカッコイイ本を読むとそういうもんなのだと自分を縛って,肌に残った縄の跡で自分を認めるような人間になってしまう。

リベラルであることというのも同様で,公について議論するときに使われるべき言葉であって,べつにその内面性を制約するようなものではないのだ。 自分は人間である以前にヒトなので,怒るし,差別心は持つし,好き嫌いがあって,理由もないのに何かをやり,理由があるのにやらない。それがヒトである。 それとは別に,公に人間はこうふるまうべき,というのがある。それがリベラルであることの対象領域で,たとえば,排他的な態度を公に(自分から社会的に一定以上離れた領域に)向けないようにしましょう,とか,そういうことである。

まとめるに,私生活では好きな態度で暮らしてよくて,環境を汚して大量消費もしていいし,配達員のことなど考えずにどんどんAmazonで小物を買えばいいし,気心の知れた関係で合意していれば猥雑で反体制的で下品な適当な事を言っていいということ。だがそれとは別に,最近は自分から公に至るまでの社会的距離がどんどん縮まっていて,何をどこで表現しても公表現として批判されうる状態になっている,というのはある。

たぶんこういうことで悩むということは自分の根っこは保守的な人間なのだろう。それはただのカラーであって,良い悪いというのがあるとは思ってない。

また,同僚がそのまま友達ということも多くて,どういう関係なのか測定しづらいというのも,どういう態度を取ってよいかを決めかねている一因としてあると思う。

現実やネットで他人の言うことに一々反応して真に受けなくても良いんだけど,自分はどうしても影響されてしまうので自分らしさを出していきたい!!!!!

まとめ

  • こうあらねばならないということは本来はない
  • 好きな規範に乗れば良い
  • 仕事で要求される考え方と,私生活での考え方は同じじゃなくても良い
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